B-1 自己分析とは何か
本当の自分と出会い、本当の志望先と出会う
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名著の教えから導く就活の本質
皆さんは自己分析とは何かを説明する事ができますか?
多くの人は、自己分析とは何かを深く考えることがないまま、自分流の自己分析に取り組んでいるのではないでしょうか。
よくある自分流の自己分析は以下のようなものです。
1. 先輩から自己分析を始めるよう言われるも、やり方がわからない。
2. そうこうしているうちに企業説明会が始まってしまい、自己分析を切り上げて、様々な企業の企業説明会を駆けずり回る。
3. 様々な企業を回って、この業界や企業が良さそうという「勘」をもとに、志望する業界や企業をなんとなく絞る。
4. 勘で絞った企業や業界に対してのPRを考えるために、なんとなくウケそうな自分の経験を列挙し、それに合わせて自分の強みと弱みを見つける。
5. 4をもとにESを書き始める。
自分流の自己分析によって本当の自分・本当の志望企業に出会う可能性は非常に低いです。
自分流の自己分析、なんとなくの就活で進路を決めてしまった場合、入社後にミスマッチに気づき、その会社で働くのが嫌になってしまう人も多いです。実際 に、新卒者の 3 年以内離職率は30%前後です。しかし、特段の経験や実績がないまま、第二新卒として転職活動を行うことは容易ではありません。
それでは、本当の自分に出会い、本当の志望企業を見つけるためにはどうすればよいでしょうか。
その答えは、本質的な就活を行うこと
であり、本質的な就活は本質的な自己分析を行うことからスタート
します。
では、本質的な自己分析とは何でしょうか。本質的な自己分析とは、生き方のストーリー=マイストーリーを構築し、進路の評価基準を洗い出すこと
です。したがって、自己分析とは何か、に対する答えは、マイストーリーを構築すること
です。
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マイストーリーとは、
1. 将来どんな自分でありたいかという「マイビジョン」を定め
2. そのためには何を成し遂げなければならないかの「マイミッション」
3. 成し遂げるために出すべき価値を表す「マイバリュー」を定めます。
4. その上で、各要素 (Value Factor)を抽出し、
5. 各要素を構成する「成長条件(進路の評価基準)」を洗い出す。
というプロセス導き出されるものです。
簡単に言えば、将来の夢とそれに向けての大まかなプランといったところです。
A-4 で示した人生における仕事の位置づけを考え、自分の進路が本当に就職なのかを考え、就職という方向が定まった後に、この自己分析=マイストーリーの構築を行います。
マイストーリーの設定のためには、まず「マイビジョン」を設定し、そこから下に向かってどんどん具体化
していき、「マイビジョン」を達成するために「必要な条件(進路の評価基準)」を洗い出すところまで行います。したがって、最初に行うことが 「マイビジョン」の設定です。マイビジョンの設定方法を含め、具体的な方法論は B-4・B-6 で説明します。
自己分析の目的は、一般的に言われている就活の軸の設定ではありません。人生の軸の設定であり、人生の軸とはマイストーリーを意味します。ここまで読まれた方の中には、こんな面倒で、”意識が高そう”なことはやりたくないと思われた方もいるでしょう。
しかし、このような本質的な自己分析をする事は、本当の自分に出会う最適解です。そして本当の自分に出会うことは、輝く人生を歩むための第一歩です。
マイストーリーの構築によって、本当の自分の思いが分かり、その思いと合致するかで志望先を判断できるようになります。
結果として自分のコアと志望先のコアとの結びつきが持て、ES や面接などのあらゆる応答において、他者にはない熱さと深さを伝えることが可能となります。
それこそがあなたが行きたい会社に行くための戦略として最も重要なものの一つです。
このように本質的な自己分析をすると、本当の自分との出会い、本当の志望先との出会い、志望先への他社にはない訴求、が可能となり、あなたの人生を大きく変えることが可能です。
就活に費やすたった 1 年でその後の人生が大きく変わるということを意識して、腰を据えて取り組みましょう。
次回は企業側から見た自己分析の位置づけを考えます。
今回のポイント
1. 本質的な就活は本質的な自己分析を行うことからスタートする
2. 本質的な自己分析とはマイストーリーを構築すること
3. 本質的な自己分析をする事は、本当の自分・本当の志望企業に出会う最適解
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基盤とした名著
ビジョン・ミッション・バリューのフレームワークを提唱したドラッカーの名著。今やほとんどの法人が導入していますが、個人でも導入すべき普遍的なフレームワークです。Life Doctor Campusでも個人の理念の構築に大いに資するため、導入・活用しています。
西田は、近代の西洋哲学が確立させた、認識する主体/認識される客体という二元論を乗りこえるべく「純粋経験」という概念を考案しました。主客未分の純粋な経験がまず根源にあり、さまざまな判断や抽象化を経て主/客の図式ができあがるといいます。したがって、経験の根源である「純粋経験」に立ちもどらなければ、真理は見えてこないとしています。
このことから、ドラッカーのフレームワークに当てはめるうえで、まずは純粋経験を考えることが、自分を理解する第一歩となることを教えてくれます。