B-11 マイストーリー構築の事例2
マイストーリーの完成形
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名著の教えから導く就活の本質
B-10「ビジョンフレームワークの事例2」において、ビジョンフレームワークを設定しました。僕なりにビジョンまで見いだせたので、ビジョンからスタートするマイストーリーの構築に入ります。
ここでも、どんな質・細かさまでいけばよいのか、具体的なゴールのイメージがないと不安になるかと思いますので、B-10の続きとして、マイストーリーの実例をそのプロセスを含めて提示します。
まずはおさらいです。
マイストーリーの構築を行う際には、ビジョンからそれを達成するために必要なものに分解して導き出していきます。マイストーリーは下図です。
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また、B-10で導き出したビジョンフレームワークは下図です。
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では早速内容に入っていきます。
まずは、ビジョンを分解し、一段階具体化させて、「ビジョンを達成するために成し遂げるべき使命」を導き出しました。ビジョン=ありたい自分に対して、どんな使命を成し遂げたらその自分になれるかを、ビジョンそしてその後ろにあるビジョンフレームワークから取り出します。
ここはもう一度ビジョンの構成要素を考えれば、自ずと出てきます。ここでも僕は、頭の中で整理できる人間ではなかったので、紙に何度も書いて整理していました。
僕の場合は、下図のようにビジョンの構成要素が五つ抽出されました。※マウスオーバーで拡大
それらを、「ミッション=なすべき使命」の表現に適合するように、集約・調整します。具体的な手順は以下の通りです。
まずは、ビジョンを達成するための構成要素を、前回のビジョンフレームワークによって抽出された、ビジョンの背景にある「何の為に生きるのか」、「どんな人生を送りたいか」の問いを含めて考えました。
前者では、「人や社会の本質をついた手段で人の人生が変わる感動を届ける」と前回抽出しています。これを達成するために、どんなミッションが求められるか分解し、定義します。ビジョンフレームワークにおいて、「感動」を「人の人生を変える感動」と定義しているので、ミッションの構成要素に人の人生を変える感動を創り、届けられることが必要です。
また、ビジョンフレームワークにおいて、「本質」を「唯一無二の手段で時代を超えた価値を提供する」と定義しているので、ミッションの構成要素に時代を超えた本質的な価値創造ができることが必要です。このような考え方で、ビジョンの構成要素を分解します。
後者では、「自分だけでなく同志全員がリーダーとなるチームを作り、既成概念を壊していく挑戦的な人生」と前回抽出しています。ここでも、どんなミッションが必要か分解し、定義します。
ビジョンフレームワークにおいて、「全員リーダー」を「個性豊かで志高い同志全員がリーダーとして成長するチーム」と定義しているので、ミッションの構成要素に個性豊かなメンバーをリーダーとして成長させることが求められます。
また、ビジョンフレームワークにおいて、「既成概念を壊す」を「常識が覆るような新しい何かを創造し、前人未到の成果を出すこと」と定義しています。そのため、ミッションの構成要素に既成概念を壊すこと、唯一無二の成果を出すことことが求められます。
このような考え方で、上記の図のようにビジョンの構成要素を分解していきます。
これ以上ないところまで繰り返し分解を行なったら、あとはビジョンから抽出された構成要素をつなげるだけです。結果、私のミッションは「①全員リーダとして成長するチームを作り、そのチームで既成概念を壊し、時代を超えた本質的な価値を創造すること、②唯一無二の価値で、人の人生を変える感動を届けること」になりました。
つぎに、バリューを導き出しました。バリューは、「ミッションを成し遂げるために必要な出すべき価値」であるため、自分がどんな価値を世の中に提供すればミッションが達成されるかを考えます。ここでも、ビジョンの分解と同じように構成要素を考えれば、自ずと出てきます。
結果、下図のように四つ抽出されました。
それを提供する価値として適した表現に調整します。※マウスオーバーで拡大
僕が与えたい④のバリューで導き方を説明します。
「ミッションで全員リーダーとして成長するチームを作る」と書きました。この状態に至るために自分はどんな価値を与えるべきか考えます。
ここもビジョンフレームワークに戻って考えると、メンバーそれぞれの個性を発掘し、切磋琢磨して、同じビジョンに向かって主体的に動いてくれる人に成長してもらうための環境作りをする力が必要だと感じました。
結果、バリュー④は「それぞれの個性が輝き、リーダーとして活躍する場所(チーム)を作る」となりました。
ビジョンフレームワークで「全員リーダー」を定義したおかげで、④のバリューを導き出せました。
バリューの次は、バリューを達成するのに必要な要素=バリューファクターです。
具体的には、能力・環境・ポジションの3つに分類されます。それぞれの観点で、各バリューに対してどんな要素を自分が得ていればそのバリュー提供できるか、で分析します。
ここも自分のビジョンに関連しそうな、能力・環境・ポジションを全部列挙することをお勧めします。ここでしっかり分析しておくと、「君のビジョンは経営コンサルでも良さそうだけど、何でうちを志望してるの」なんて質問は綺麗に打ち返せる材料になるからです。※マウスオーバーで拡大
では、僕なりに導いた一部のバリューファクターを説明します。
能力で例えると、バリューで「本質的な領域での課題解決力」や「唯一無二の手段で常識を変える力」が記載されているので、自然と本質的な思考力と世界観が必要になってきます。
ポジションで例えると、バリューで社会を変える価値、リーダーと言う要素があるので、プロデューサーの立場は最低条件で、その次に企業家であることが求められます。(企業家には実業家やマネジメントなど似たような定義もありますが、企業家という言葉を選んだ理由は、新しい価値をリーダーとして届けることは、企業家という言葉が一番フィットするからです。)
環境で例えても、バリューでそれぞれの個性を輝かせるリーダーと書いており、その定義はマイノリティも輝かせることと書いているので、たくさんの価値観がある環境が求められることが必要とわかります。
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これをさらに、「経験・知識」「ポジション」「環境」の3つの観点で、どんな成長条件かを具体化します。もう一つ具体化することで、ファーストキャリアにどんな熱量でどんな仕事ができるか考える判断基準となります。
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僕の場合、知識・経験面では、バリューに感動を提供すると記載したので、感動を体験設計するためにプロモーションの知識・経験が必要です。もちろん、視覚的なものからも感動が与えられるよう、グラフィックデザインにも挑戦する必要があります。
ポジションの面では、リーダーになりたいからこそプロジェクト責任者になる必要がありますし、人を感動させるために、その設計ができるマーケティング責任者になる必要があります。
環境面では、それぞれの個性が輝かせるようなリーダーになる、とバリューで書いたので、それを叶えるために多様な個性に向き合う熱量が必要なので、「多様な個性」の環境が求められます。
このように考えることを繰り返すことで、マイストーリーが構築できます。
完成図イメージを作るとすると下図のようになります。※マウスオーバーで拡大
一度この枠組みが構築できれば、心から納得できるまで抜け漏れがないか、表現する言葉は適切か、繰り返し考える必要があります。
僕自身も小手先のテクニックでは、自信を持ってESを書いたり、面接でアピールしたりことができなかったので、最後の見直しも心から納得できるまで大事に行いました。
今回はマイストーリーのゴールイメージを提示するために、実例を用いて説明しました。このレベルまで突き詰めることができ、かつ自分自身としてこれ以上ないというところまで納得できれば、マイストーリーはこれで完成となります。 マイストーリー構築後は、B-7にあるように、マイストーリーの下部に自分の経験を置き、こういう自分になるために●●の経験をしてきたと位置付けることが必要です。その上で、企業研究後に志望先に対してスコーピングを行い、調整したストーリーから抜き出してES・面接に回答していく、という運びとなります。
僕は、マイストーリーがきちんと構築されたことで、「本当の自分」と「本当の志望先」に出会うことができました。
それを可能にしたのは、
①このフレームワークで自分の言語化できていなかったもの、つまり自分の深層心理まで抽出し、言語化できるまで整理することができたこと
②これにより、明確な志望先の判断基準が持てるので、的を絞った企業研究ができるからです
例えば、企業研究の際に、マイストーリーがあれば、株式会社〇〇では、「自分の望みが叶えられる場所か」、「望みを叶えるために自分が鍛えたい能力が身につく環境にあるのか」などと分析することができます。
実際の面接でもフレームワークに沿ってアピールすれば簡単です。
僕が面接で志望理由を言うときは、「人の人生を変える感動を届ける企業家になりたいと思っており、御社の〇〇な理念や△△のビジネスモデルが自分のビジョンと合致するので志望しました。」と熱量のこもったアピールが可能となりました。
その志望理由の理由や学生時代に頑張った経験も、フレームワークで自分が大事にしている価値観を持った過程を話しました。
フレームワークに沿ってアピールできたからこそ、フレームワークを使う前と比べて明らかに面接官の聞く態度が変わっていました。そのおかげで、僕も無事に第一志望の会社から内定をいただくことができました。