B-7 マイストーリーと経験の関係
経験はマイストーリー実現の為にある
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名著の教えから導く就活の本質
今回は、マイストーリーが構築されたあと、自分の経験とマイストーリーをどうつなぎ合わせるか、について説明します。
自分の経験を振り返りながら、自分の価値観を抽出し、何のために生きるのか、という本質的な問いに答えることを通じて、マイストーリーを構築しました。このマイストーリーは、あなたの将来の計画であり、人生の軸であり、本当の意味での就活の軸です。マイストーリーには、ビジョン、ミッション、バリュー、成長条件が含まれ、成長条件が企業選びの評価基準になると説明しました。経験はマイストーリーを抽出するために活用しました。
しかし、マイストーリーは将来計画なので過去の経験は含まれません。マイストーリーと経験はどのように関係づければよいのでしょうか。
マイストーリーと経験の関係は、マイストーリーを成し遂げるために自分を成長させるべく取り組んできたもの
として直接的に結び付けて捉えるべきです。
その経験をした当時のマイストーリーは別だったかもしれませんし、そもそも明確には描いていなかったかもしれません。しかし、言語化して描いていなかっただけで、後から考えればあるいは経験をもとにマイストーリーが抽出されたということは、その経験はマイストーリーの実現に向かって歩みを進めるためのものであったといえます。したがって、マイストーリーを成し遂げる自分になるために、過去にこういう経験をして、自分を成長させてきた、という直線的な位置づけでよいと思います。
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実際に、エントリーシートや面接の段階になると、経験を聞かれる場面がとても多いです。その際に、単に経験の状況説明を行うのではなく、マイストーリーと結び付けて経験を語ると説得力が増します。こういう自分になるためにこの経験をして、あるいは結果としてこの経験はそういう自分になるための経験であり、その経験でこういう能力を育んできており、そういう自分はあなたの会社に利益をもたらす、というストーリーを語るほうが相手企業にとって求める人物像であると捉えやすくなります。
また、あなたが首尾一貫した考えをできる人であること、経験からしっかり学べること、の証明にもなります。
これで本章の内容は終了です。
次章に入る前に、ビジョンフレームワークを定めるプロセスとマイストーリーを定めるプロセスについて、より具体的な理解につながるように具体的な事例を掲載します。
次章では、企業研究についてみていきます。
今回のポイント
1. マイストーリーと経験の関係は、マイストーリー実現のためにした経験として、直接的に結び付けて考える。
2. マイストーリーと経験の結びつけで、ESや面接であなたが「首尾一貫した考えをできる人」、「経験から学べること」の証明になる。
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基盤とした名著
帰納法的論理思考を体系化した名著中の名著。この帰納法的思考の方法論を用いて、フレームワークと経験を位置付けました。