G-1 面接とは何か
面接に臨む前のチェックポイント
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名著の教えから導く就活の本質
面接って緊張しますよね。言いたいことが言えない、あるいは頭が真っ白になってうまく言えなかった、など、先輩たちも面接における失敗の経験を多くしてきています。次は失敗しないようにと、自分で作った面接のQAを丸暗記して臨む、などといった対応をしている人も多いです。
では、緊張して難しい面接は、どうすればうまくなるのでしょうか。有益でよい面接にするためには、まずは面接とは何か、を考える必要があります。
面接は、英語に直すとインタビューです。つまり、質問と回答という形で行われる会話を意味します。そして、企業にとって採用とは投資であり、就活生は、投資される側として、エントリーシートや面接などの様々な形を通じて、「私は投資対象として適格である」ことを説得し、その際の観点は、素養と心であると説明しました。
つまり、面接は投資提案のプレゼンテーション
であるわけです。
素養と心という評価基準に対して、志望動機と経験という形で、投資対象としての適性を説得する会話であるわけです。
そして、素養と心を確認するための質問として、様々な切り口から様々な種類の質問が投げかけられます。志望動機、自己PR、強みと弱み、リーダーシップを発揮した経験、困難に直面した時の経験など、多種多様です。中には、社会問題だったり、概念の定義を聞く質問だったりという変わり種もあります。
これら面接の多種多様な質問は、究極的には3つの質問に分類できると考えられます。
「1.あなたは誰、2.何ができるの、3.何がしたいの」の3つ
です。
1. あなたの素養と心を知るために、現在のあなたをよく知る必要があり、聞いてくるものです。特に心の部分をここでみます。自己紹介、志望動機、自己PR、などがこれにあたります。
2. 過去を踏まえた現在のあなたの素養を見極めます。〇〇の経験がこれにあたります。
3. あなたの心の部分を見極めるために将来を確認します。将来の目標と企業が一致していれば、がんばれる心の確認ができるからです。
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面接は投資提案のインタビューであり、つまるところ3つの質問に答えるものである、ということがわかっていただけたと思います。
それでは、どうすれば面接にうまく対応できるのでしょうか。
面接にうまく対応するための方法は、準備
の一言に尽きます。
物事を成すには準備が必要です。面接の場合は、長期の準備と短期の準備
で構成されます。
長期の準備は、これまで説明してきたすべてです。本質的な就職活動を行うために、本質的な自己分析を行ってマイストーリーを構築し本当の自分に出会い、企業研究を行って本当の志望先を見出してきた、一連のプロセスです。これをしっかり行っていれば、自分の中にゆるぎない思いと自信があるため、自信をもって臨めます。また、何度も繰り返し考えてきているので、ストーリーが頭や体に焼き付いているため、取ってつけたような暗記をする必要はなくなるでしょう。
そのうえで、短期の準備は、戦術を構築することです。どういうことかといえば、一分一秒、一挙手一投足、発言の全てに意義と意図を持ち、あらゆる面で私を採用すべきだという根拠を送り続ける
ということです。面接で与えられた時間を、説得のために、「使い尽くす」という発想
が必要ではないでしょうか。
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例えば、面接全体をどのような雰囲気に持っていくのか、まじめで固いのか、会話によった少し崩した形なのか、笑いを取りに行くのか、どのような人物像だと記憶してもらうか、部屋に入った瞬間の挨拶はどのような印象を与える挨拶にするのか、自己PRや逆質問といった自由度の高い質問は、何を意図してどのように答えるべきか、などがこれにあたります。
時間を使い尽くして、投資対象として適格だという根拠を、挨拶一つとっても、積み上げていく必要があります。
これら長期と短期の準備をしっかりしておけば、基本的には問題はないはずです。
長期と短期の準備をしておき、当日気を付けるべきことは、過不足がないこと、結論から述べること、オーラを出すこと
の3点です。
・過不足がないこと
自分をよく思われたいとついつい語りすぎてしまいますが、逆効果になってしまいます。質問の対象や範囲などの相手が求める答えを理解できない人だと思われてしまうからです。会話である以上、むしろ少な目に骨子を語り、その後相手が詳細を質問してくる、というやり取りの方が活発であり、心証もよくなります。
・結論から述べること
だらだらどこに向かうかわからない話をする人が多いうえに、面接官は一日何十人も相手にしているので、結論から出し、話がどこに向かうか明確に示すことをお勧めします。その方が、理解してもらいやすく、理解してもらいやすいがゆえに印象もよくなります。
・オーラを出すこと
熱意を感じさせることです。それは、目や姿勢や物言いからにじみ出るオーラともいえます。オーラを感じてもらえる存在感を放てれば良い結果になるでしょう。オーラは、きちんとした自己分析と企業研究を行っていれば、自然と今の自分に自信がつき、出てくると思います。
本質的な就職活動に取り組む長期的な準備をし、面接に向けた戦術を整えることで、選考で圧倒的に有利になるでしょう。
次回は、「あなたは誰?」と「何がしたいの?」に類する質問に対する対策を考えます。
今回のポイント
1. 面接は、投資提案のプレゼンテーションである
2. 面接時の質問は、「あなたは誰、何ができるの、何がしたいの」、の3つに分類される
3. 面接の全てに意義と意味を持ち、採用する根拠を送り続ける為の戦術を立てることである
4. それらの源泉は長期と短期の準備
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基盤とした名著
本書では、大量消費時代における「モノの価値」とは、モノそのものの使用価値、あるいは生産に利用された労働の集約度にあるのではなく、商品に付与された記号にあるとされます。
そこから、モノ(商品)を買う行為は欲求充足の他に「自分らしさ」(オリジナリティ)を主張する言語活動の一面があり、他者との差異をつけ、個人のアイデンティティを社会の中に定位させる道具であるとしています。
こうした「記号」という商品の価値が、本来の使用価値や生産価値以上に効力を持つ社会を「消費社会」と本書ではよんでいます。
面接でも同じ原理であり、そこでも言葉・単語・文章・態度などあらゆる事象が自分を表す記号となります。