F-5 グループディスカッションで担うべき役割 Light
重要な5つの役割
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就活生の悩み
前回まで、グルディスを正しく行うための方法論における、各ステップを細かく説明しました。では、ステップとその詳細が理解できたところで、今回は、議論を行う中での、役割はどうすれば良いのでしょうか?
名著で就活の提案(名著の教え)
グルディスの重要な役割は、5つあります。
リーダー、コントローラー、サブリーダー、サブクローザー、クローザー、
の5つです。
そのほかは、フォロワーだと捉えてください。では、各役割の詳細、求められる能力、重要度を見ていきましょう。
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①リーダー
役割の詳細
リーダーは、問いの定義や議論の枠組みの構築を主導する役割です。基本的な議論のゴール、範囲、焦点、方向性などを定めます。
必要な能力
本質的な思考力が必要です。問を突き詰めて定義する力とも言い換えられます。抽象的でふわっとしたものを突き詰めていく必要があります。
難易度
議論の枠組みを構築しきらなければならないため、難易度が高く、高い思考力を求められます。一方で、最初の枠組み構築を一定程度行うことができれば、その時点で合格は間違いありません。
②コントローラー
役割の詳細
全体の検討のステップの中で今はどこの議論をしているのか、上記の議論の枠組みの中でどの部分の議論か、といった議論の位置を常に把握し、その上で、今の議論の要否や重要度による時間配分等を考慮し、議論を制御します。
必要な能力
議論の枠組みを踏まえて、常に全体を頭に描きながら、今どこで何の議論をしているか、を把握したうえで、そこに時間と労力を割くべきか否かの判断を瞬時に行う必要があります。
難易度
枠組みを創造するリーダーと比較すれば、制御であるため難易度は下がりますが、話を理解しながら、頭の中の絵図に落とし込む理解力と想像力が求められます。
③サブリーダー
役割
リーダーが設定した枠組みを、他者の意見を柔軟に取り込みながら、さらに深堀する役割です。議論の枠組みに基づき、不足している要素を追加したり、各要素を深く検討したり、要素検討からゴールや課題をブラッシュアップしたりと、より建設的な議論ができるよう深化させ、真の問いにまで持っていく立場です。
必要な能力
議論の深化させる力とチーム員の意見を柔軟に反映していく力が必要です。求められる能力は、視野の広さ、切り口の多様さ、具体的思考力であると思います。
難易度
リーダーが創造した枠組みを、さらに強化する立場です。「欠けている要素はないか」、「因数分解は適切か」、「要素の検討は十分か」、など真の問いまでもっていかねばならないので難易度は高いです。
④サブクローザー
役割
アイデアを評価する基準を枠組みからひも解いて設定し、アイデアの取捨選択を行う役割です。アイデアの議論に移行した場合、アイデア同士でぶつかり、どちらがよいかわからず議論が停滞する時があると思います。そうなる前にサブクローザーは、枠組みとその深化による真の問いに基づき、アイデアを評価する基準を定め、議論を進める立場です。
必要な能力
アイデアを評価する基準を、真の問い及び枠組みから抽出する役割であるため、論理的思考力が求められます。
難易度
論理的に考察すれば、評価基準は抽出できるため、難易度はそれなりですので、重要性もそれなりです。
⑤クローザー
役割
最後に議論の骨子を再度整理し、提案や発表に向けて、どのような構成と表現で落とし込むか、のアウトプットの設計を行う役割です。具体的には、与えられた時間や枚数という制約条件を踏まえ、相手に刺さるようにどうするかを目次と各ページの設計で議論する役割です。
必要な能力
話をまとめて資料の設計を行う立場であるため、議論を総括する力と、相手に刺さりやすいように表現する力が必要です。
重要度
話をまとめて資料の設計を行う立場なので、それほど重要性も難易度も高いわけではありません。どの役割でもバリューを出せなかった人の最後の挽回のチャンスと言えるでしょう。
補足
基本的には、リーダー>コントローラー>サブリーダー>サブクローザー>クローザー、の順序で難易度と重要性が高いです。
実際にはグループディスカッションにおいて、役割を明確に決めることはまれです。流れの中で自然と決まってきます。そのため、何も1人が1役割のみに制限する必要もありません。議論を成功させるにはこの5つの役割が重要なのであって、それを行うのは5人でも3人でも大丈夫です。
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基盤とした名著
命題とはある存在するものについて分離または結合されていることを論理的に規定するものです。そして命題を構成する主語と述語の区別、判断の種別、対象や変形について考察されています。
演繹的な論理思考を体系化した名著中の名著。
グループディスカッションを、ステップ・役割の観点で構成要素に分解し検討する方法論の基盤としました。
ニーチェにして「精妙にして複雑な人生の道徳律を生んだことはなかった」、またショーペンハウアーも「人生のよき手引書である」という言葉を残している人間関係に関する名著。
アリストテレスのオルガノンによる演繹的論理思考に基づくステップや取り組み方を踏まえ、演繹的論理思考により役割に分解するとともに、その内容や目的においては本書の知恵を活用。