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F-4 ステップ詳細

課題解決の実学

  • 名著の教えから導く就活の本質

    前回はグルディスを正しく行うための方法論を説明し、グルディスの正しいステップが理解できたと思います。今回は、各ステップを細かく説明します。




    グルディスのステップがおおよそ理解できたとしても、実際に各ステップを具体的に実行してみなければ、きちんとした理解をしたとはいえません。したがって、今回は、ある年にある企業で出題された設問を例題にして、実際にグルディスをステップに沿って、議論を行い、各ステップの詳細について説明していきたいと思います。




    例題は、前回提示した「日本の少子化対策を考えよう」としましょう。
    ステップをおさらいすると、議論の枠組みの設定、枠組みの深化、真の問いの設定、評価基準の設定、アイデアの検討、ソリューション決定とアウトプットの設計及び作成、でした。
    議論の枠組み設定は、問いの定義と因数分解の二つです。




    まずは問の定義を行います。日本の少子化対策を考えよう、が設問ですが、日本とは何か、少子化とは何か、対策とは何か、考えようとは何か、を定義する必要があります。具体的には次の通りです。

    日本とは、日本国籍を持つ人を意味するのか、あるいは国籍問わず日本に居住する人を意味するのか。少子化とは、出生率か出生数の話か。対策とは、目的は何か、目標はどこか、期限はあるのか。考えようとあるが、どの立場で考えるのか。政府か、企業か、一個人か。
    このように言葉の意味を明確に固めることを問いの定義と言います。

    コンテンツ図示

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    定義の仕方としては、基本的には目的から最適なものを判断していきます。
    目的は、事実をベースに想定で設定します。今回の場合は、そもそも少子化対策の問いの背景には、生産人口の維持による国力の維持、という目的があると事実から類推して設定します。その目的から、問いの用語を定義していきます。
    そうすると、国力=GDPが現在の一般的な指標であるため、このGDPの概念を援用し日本という国に居住する人となります。

    少子化は、人口減の論点を排除し、一人当たりで子供を産む数に論点を絞るべく出生率(合計特殊出生率)とします。

    対策は生産人口の維持を目的とし、2030年までの10年程度の中期で現在を維持ないし少しよくする程度の改善を行えればよい、と設定します。国家的な課題であるため、短期では効果が得られない可能性が高く、長期や超長期では環境が変化しすぎてしまうため、中期と設定します。
    この対策の部分は、超長期で完全に改善させる議論か、長期でかなり改善させるのか、中期で少しなのか、短期で足掛かりだけなのかで、議論の方向性が大きく変わるので、極めて重要です。

    そして最後に、考えようについては、論点の重大さから対策の検討をするのは日本政府であるべきと判断し、日本政府として、と設定します。




    そうすると、最初の日本の少子化対策を考えよう、という極めて抽象的な問いは、問いの定義を行った後、

    「日本政府として日本に居住する人に対し、2030年ごろまでに出生率が現状維持から少し(0.1-3ポイント程度?)改善する政策を立案する。」という具体的な問いに言い換えられます。




    この際、発表が最後にあるとすれば、何をどこまで含めて発表するか、時間制約を踏まえて考える必要があります。今回は、それほど時間がないという想定で、対策案とスケジュールまでとし、財源をどうするかまでは含めないと設定します。論点が別になるからです。

    コンテンツ図示

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    問いの定義が完了した後は、問いに含まれるポイントを分解し要素の列挙を行います。

    コンテンツ図示

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    それぞれ見ていくと、日本に住む人については、当然出産可能年齢帯が対象となりますが、その中でもどの年代、どの年収帯、どの職業、で少子化が進行しているのか、という要素に分解します。年齢の問題なら、初産年齢や未婚率が重要なのかもしれませんし、年収帯で顕著な差があるのならお金の問題かもしれませんし、職業(専業・共働き)で顕著な差があるなら、女性の社会進出が影響しているのかもしれません。このように因数分解すると、どこの「部分」に要因がありそうかという具体化が進行できるため、有効です。




    少子化については、出生率(合計特殊出生率)としました。出生率は、16-49歳の女性が生む一人当たりの子供の数を意味します。しかし仕上がりの数値だけ見ても意味はありません。平均値である以上、平均を構成する要素で見ていき、重要度が高い観点を見出す必要があります。そのためには、地域、子供の数、の二つに分解します。地域間で出生率に差異があるのか、1人目や2人目といった子供の数の部分で少子化に差異があるのか、といったところです。平均値が1.0だとすれば、都会は高く地方は低いかもしれませんし、1人持つ人は多いが2人目を持つ人が少ないのかもしれません。因数分解することにより、課題や原因を具体化することができます。




    そして、対策は、目的や目標などの大きなところから方向性を定めました。具体的な対策は、現状分析ののちにわかる原因に対して策定されます。原因は各要素から推定されますので、因数分解して主な要素を列挙したあと、その要素のうちどれをどの程度取り上げるのかを決定せねばなりません。原因と思われる事項に優先順位をつけるということです。

    その決定に当たってはやはり目的に立ち戻ります。今回は、中期的に現状維持ないしは少し改善する方向性ですので、影響度が高い点を洗い出して、絞り込み、対策を集中する必要があります。これが長期であれば、全要素を洗い出して、優先順位でならべて、時間軸でそれぞれの打ち手をスケジューリングしていく必要があります。短期の場合は、ただ一つに絞る必要があるでしょう。中期の場合は短期ほどではないにせよ、時間が限られている中で成果を出す必要があるので、重要性の高いいくつかの課題・原因に絞り対策を練るという方向性を決定します。ここまでが枠組みの設定となります。





    そしてつぎが、枠組みの深化です。ここでは、因数分解して列挙した各要素について、議論の枠組みに基づいて、要素が不足しているならその追加を行う、要素を修正した方がよければその修正を行いつつ、各要素を検討し論理的に方向性を設定します。

    コンテンツ図示

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    日本に住む人でいえば、年齢は若い方が対策の効果があるため若い20代とします。
    年収は、高ければ金銭的障壁がなく、日本政府として手を差し伸べる必要がないと考えられること、また効果を出すためにボリューム層に焦点を置くべきであることから、中間層以下の所得層とします。
    職業は、同様に障壁が高い方が日本政府として取り組むべきところになるため、共働き世帯のビジネスマン家庭とします。そうすると、金銭面と時間面が障壁としてありそうだと推定できます。


    出生率については、地域別でみる場合人口が多く効果を見込みやすい都市部とします。そのうえで、1人目なのか2人目なのか、どこが問題なのかを考えたときに、1人目は未婚や不妊などの関連する別の論点が入ってきてしまうので、2人目に設定します。


    最後に、対策については、上記の通り、主な原因が金銭と時間と推定されるので、その二つの障壁を緩和する方向で検討を進めます。ここまでが枠組みの深化です。





    そうすると、議論の枠組みに基づき、検討した各要素をつなげると、以下のような極めて具体的なテーマとなります。
    「10年程度の中期で、出生率下げ止まりから少し改善させる対策を、日本政府の立場でその検討する。
    →政令指定都市に住む、20代の若い、1人子供がいる、中間層以下の所得で、共働きのビジネスマン、の家庭に対して、2人目3人目をつくるための課題を、金銭的時間的の方向で洗い出し、解消する方策を考える」
    これが

    真の問の設定

    です。




    真の問いの設定が終われば、論理的に設定している仮説の状態にある各要素について、それが正しいかの検証作業を行います。リサーチを実施し事実確認を行って、仮説の検証・アップデート作業を行い、枠組みを完成形にします。


    なお、企業によっては、時間制約が短い場合は、この検証作業(事実確認)には時間をあてられない場合があります。実際の検討プロセスを見たいので、事実確認に時間を割く必要なしと判断し、そのプロセスを飛ばしてもらうよう短めに設定している企業の方がむしろ多いです。もしこのプロセスがある場合は、時間配分、役割配分、何の情報ソースにあたるのがよいか、どんな情報の確認が取れればよいのか、までタスク設計を行ってから取り掛かります。時間制約的に対応が困難な場合は思い切って飛ばします。




    枠組みが完成形になれば、アイデアの議論に入る前に評価基準の設定が必要になります。評価基準は、真の問から設定します。今回の場合は、金銭的・時間的課題を解消しうるか、と10年で一定の効果が見込めるのか、の2点になると思います。
    そこからアイデアの議論に入ります。評価基準、枠組みが設定されていれば、極めて具体的に対象や課題を理解できるので、アイデア自体は出やすいかと思います。


    今回の例でいえば、金銭的課題の方では、「子供給付金を大幅に引き上げる」、「産育休手当を引き上げる」などが考えられます。時間的課題の方では、「公立の保育園や託児所を一気に増加させる」とか、「シニアの子育て経験者をヘルパーとして大量に雇用し各家庭に派遣する」などが考えられます。


    そして、アイデアを評価基準に基づいて取捨選択し、優先順位を付けます。
    そのうえで、大まかなスケジュールに落とし込みます。




    最後に、発表の準備を行います。最初の枠組みの設定において、検討範囲を対策のスケジュールの立案までとしています。そこで、ストーリーを考え、目次を考え、各ページの趣旨と論拠を設定するページ設計を行い、各ページのビジュアルイメージ設計を行い、アウトプットイメージを明確に共有します。その上で、残り時間で役割分担して各自が作業をします。


    なお、発表がある場合は、ページをそのまま読むことほど工夫のないものはありません。ページを活用して自分の説明をするという考え方でいてください。ページの中など全部読む必要はありません。




    以上が、グルディスの具体的なプロセスの一連の流れです。これを、役割分担しながら、チームで協力して、各自の意見の良いところを取り込みながらブラッシュアップをさせて、時間内で最適なアウトプットを出していくわけです。




    今回は、グルディスのステップの各部分を深く学ぶために、実際にグルディスを行うプロセスを見ながら、各ステップの内容を詳説しました。次回は、これらのステップを行うにあたって、役割について説明します。




    今回のポイント

    今回の内容は事例であるため、ポイントはありません。
  • 基盤とした名著

    オルガノン

    命題とはある存在するものについて分離または結合されていることを論理的に規定するものです。そして命題を構成する主語と述語の区別、判断の種別、対象や変形について考察されています。
    演繹的な論理思考を体系化した名著中の名著。
    グループディスカッションを、ステップ・役割の観点で構成要素に分解し検討する方法論の基盤としました。

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