E-3 良いESとは何か Light
問いを活用して、自分のストーリーを伝えること
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就活生の悩み
ESをうまく書けない、という悩みは全就活生に共通するものだと思います。
よくあるイマイチなESは、聞かれた問いにわかりやすく答えることのみに注力しすぎて細かい状況解説ばかりとなり、全体を通してのストーリーが不明瞭なものです。
このようなESを「一問一答型のES」
と呼んでいます。そのようなESでは、有効な投資提案資料とはなりません。
それでは、なぜ一問一答型のESは有効ではないのでしょうか。また、良いESとはどのようなものでしょうか。
名著で就活の提案(名著の教え)
<一問一答型のES>
一問一答型が有効でない理由
一問一答型のESは、書き手にとって簡単な書き方である一方、読み手にとって非常にわかりづらいからです。具体的には、以下の二点が理由となります。
1. 単なる状況解説になっているから
状況解説に終始すると、結局どういう人なのかが非常にわかりづらく「書いた人の存在感がない」ESとなります。
その原因は各回答において注力する焦点がないからです。その経験の中で、どんな立場で、何に苦しみ、どう乗り越え、何を得、それが今及び将来にどうつながるのか、といった観点の説明が全部または一部欠けているために、状況解説になってしまっています。
2. 全体として統一感が無いから
例えば、「ある質問ではみんなと協調するリーダーとしての経験を述ているのに、別の質問では個人プレーで活躍したなどを述べた文章を同じES内に記載してしまい、結局どっちのタイプかわからない、という感想になってしまいがちです。
<良いES>
良いESに必要な要素
このことから、本来あるべきES・良いESとは、
1. 相手に伝えたい「投資対象として適切だ」というストーリーを伝え、説得するために、
2. その根拠となる経験等の具体的な形での質問を「使って」、
3. マイストーリーから取り出してメッセージと根拠を伝える。
という考え方が必要だと思います。ESの質問に答えるという「手段」を通じて、私は投資対象として適格だと伝える「目的」を達成するという発想です。
ES提出にあたり、本質的な自己分析をしっかり行ってきたあなたのESには、これまで構築したマイストーリーに自分の将来への強い思いがあり、その思いを実現するためのステップや要素などが含まれています。
したがって、マイストーリーから、相手に質問の形に合わせて、何をどのように答えるかを「抜き出し」、「あなたと私は完全に思いが一致しており採用すべき」というあなたからのメッセージを伝えるという方法が、もっともあなたを雄弁に語る方法であり、企業に最も適切に伝わる方法なのです。
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良いESの定義
良いESとは、マイストーリーから抜き出し、企業の質問に合わせて表現を整えることで、全体として首尾一貫し、焦点が明確で、全体及び部分を通じて、ESの問いを活用して、企業に対して、私は投資対象として適格だというメッセージが伝わるもの
ということになります。
問いを活用してストーリーを伝えることに意識を払ったうえではじめて、いつも注意を払っているESの形式面に注意を払えばよいのです。
形式面については、論理的であること
、そして過不足がないこと
が重要です。
具体的に気をつけておくべき事は、以下の通りです。
・限られた文字数で問いにしっかり答えていること
・誰が読んでもすっと理解できること、時系列が整理されていること
・抽象的な用語に定義がされていること
・意味のある情報(投資対象として適切だというメッセージを伝えるため)のみで構成されていること
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基盤とした名著
命題とはある存在するものについて分離または結合されていることを論理的に規定するものです。そして命題を構成する主語と述語の区別、判断の種別、対象や変形について考察されています。
演繹的な論理思考を体系化した名著中の名著。
就職の軸から論理的に答えを導き出すこと、それゆえに各回答が構造化し首尾一貫していること、の二点の実現のために、この演繹思考の教えを基盤としています。