A-10 本質的な思考力の醸成方法 Light
時代が変わっても色褪せない力
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学生の悩み
今回は、本質的な就職活動を行い、その後の生活をどうしようか迷っていませんか。そんなあなたには、本質的な就職活動で培った本質的な思考力を磨いてみてはいかがでしょうか。
名著で就活の提案(名著の教え)
<本質的な思考力を磨く意味>
本質的な思考力とは「創造的思考力」であり、創造的思考力とは、「哲学や価値観に根差した深い思考をもとに、意味と意義を突き詰めて考え、問いを見抜く力」です。
人間にとっての本質的な思考力とは、言ってみれば、パソコンにおけるOSに当たります。いくら知識や語学や資格を身に付けようとも、それは特定の条件下でしか活用のできないアプリに当たるわけです。そして、今の時代は変革の最中にあります。その中で、特定の条件下でしか効果を発揮しないアプリばかりに着目するのは危険だと思います。技術革新によってそのアプリが不要になれば、何の意味もなさなくなるからです。
また、OS自体の性能が高ければ様々なアプリをより簡単にインストールすることができます。そして、アプリは、時代によって必要なものが変化しますが、OSは、最も基盤となる本質的なものであるため、その種類に変化はありません。ひたすら性能を高めていくだけです。
このOSを鍛えることが、あなたの人生を最も有意義にする方法です。それは、就職活動を「本当のあなたに出会い本当の志望先を見出す」というあなたにとっての深い部分でも、内定を取ってくるという実利の面でも、最も役に立つ力が思考力なのです。
そして、それは就活にとどまらず、入社後の業務においても大いに役立ちます。
業務においては、商品などの専門知識やノウハウというアプリがありますが、それを機能させる基盤はOSである思考力です。そして思考力が高ければ、どんなアプリも簡単にインストールできます。したがって、入社後の業務においても役立つ力です。さらには、10年後などの遠い未来において、あなたがどんな人生を歩んでいくか、においても思考力が最も重要です。<本質的な思考力を磨く方法>
では、本質的な思考力と鍛えるために、その具体的な方法を提示します。
①新聞を本当の意味で読むこと
多くの就活生は、時事ニュースの知識を頭に入れておくためだけに新聞やニュースを見ると思います。でも、これ実は読んでいません。これは眺めるというべき行動です。本当の意味で新聞を読むとは、自分がその事象を判断する立場だったらどう判断するかを考えながら読むことです。そのためには、背景や現状を理解し、何が本質的課題かを洗い出し、対応策の考案し、どう対応するかの判断を価値観に基づいて行う必要があります。
最初は大変です。しかし、これを毎日繰り返していると、そのうちに時間が短縮され、思考する習慣も付くため、その精度や速さや広さや深さは飛躍的に高まります。今すぐに始めることができるので、ぜひやっていましょう。
②友人と議論すること
新聞やニュースを本当の意味で読むことは大変です。一人でやりつづけるには強い精神力が要求されます。一人で続けることが難しいなら、友達と一緒に始め、いくつかの事象については議論してみてはいかがでしょうか。また、新聞以外でも、思いついたことを、議論してみるのも効果的です。これまで説明してきた背景・現状分析→課題抽出→ソリューション検討、のプロセスで思考します。議題は、憲法改正をどうとらえるかでも、ギャル文化についてでも、何でも構いません。
③学問をきちんと行うこと
言い換えれば名著を読むことです。これは、「難しいことを体系化・構造化して理解する」、「それを整理してアウトプットする」という脳みそのトレーニングになります。学問を行うということは世界とは何かを考えることであるため、世界認識が醸成され、価値観も深まります。大学の学問は、たしかに直接的表面的には仕事の役に立つことは少ないです。しかし、本質的には、思考力を養い価値観を深めるというより重要な次元では大変役に立ちます。
なお、名著を読む際に、意識的に読み返さないことが重要です。難しい内容も一回で理解できるようになると、理解力や理解の速度が向上し、頭の回転の速さの向上につながります。
④入った店の経営戦略を考えること
友達とあるいは一人でどこかの店に入った時に、その店の一日の売上高、客単価、客数、客の属性などを整理し、現状を把握したうえで、そこの経営をよりよくするにはどうすべきかを議論します。単価が低いのか、客数が少ないのか、客層が偏っているのかなどを洞察することで、思考力が高まります。
⑤疑問を突き詰めること
生活をしていて、ふと気になることが出てくる時があると思います。その時に、面倒だと思わずに、思い立った瞬間に疑問を解消すべく、リサーチしたり思考したりして、疑問を突き詰めるようにしましょう。そうすることで、突き詰めて考えることを習慣化できます。メッセージ
以上の方法を日々行っていけば、深い本質的な思考力、広い視野は自然と身に尽きますし、頭の回転も速くなると思います。今目の前にある就職活動という大きな山を最適に乗り越えるために、そしてそのあとの人生が輝くために、ぜひ日々本質的な思考力を磨いてください。
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基盤とした名著
「正しさとは何か」「なぜ不正を行ってはいけないか」という問題が、正面から取り上げられています。
アリストテレスは『ニコマコス倫理学』によって、初めて倫理学を確立しました。人々の人生の究極の目的は「よく生きること」であり、人間の活動が目指すのは「善」であるとして、その概念を分析して明らかにし、西洋の思想に大きな影響を与えました。ニコマコスとは、息子の名前だとされています。
人間の欲望の構造、個人と共同体の問題、他者の存在によって想像的な自我が生ずること、認識と視点・言語との関係、テキスト解釈と暗号の問題、等々の重要で深遠なテーマが扱われており、特定の思想的・宗教的な立場を超えており、現代でもそのテーマの重要性は変わっていません。それゆえ現代でも世界中の人々によって読み継がれている名著です。
明治維新直後の日本人は、数百年変わらず続いた封建社会と儒教思想しか知らなかった。
本書は国民に向かい、日本が中世的な封建社会から、近代民主主義国家に新しく転換したことを述べ、欧米の近代的政治思想、民主主義を構成する理念、市民国家の概念を平易な比喩を多用して説明し、儒教思想を否定して、日本人を封建支配下の無知蒙昧な民衆から、民主主義国家の主権者となるべき、自覚ある市民に意識改革することを意図する名著です。
学問にできることと学問にはできないことについて説明し、学問をすることの意味に対して疑問をつきつける。
近代の自然科学では、主知主義化や合理化が行われた("脱呪術化"・"魔術からの解放")。また、学問の専門領域が分化した("神々の闘争")。そのため、「真なる存在への道」という理想は失ってしまっており、もはや生の意味を学問に求めることなどできはしない。したがって、学問は、もはや人々に価値を示すことはできず、究極的には学問をする意味などない。
それでも敢えて学問に意義を見出そうとするならば、それは個人が「自己の立場の明確化」を助けることになるという。
しかし、学問に伴う宿命、つまり自らが主体であり続けるということに耐えるという宿命を受け入れられないような人は、おとなしくキリスト教への信仰に戻り、非アカデミックな職業に就いて、そこで日々求められる役割を果たし、人間関係の中で生きるべきであるとする。