業界研究
(外資系)投資銀行
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最高水準の高給である一方で最高水準の激務であり、常に学生の憧れである(外資系)投資銀行業界について研究を行います。
国内証券業界研究を読了し理解しており、証券会社に対する基本的な理解は醸成されているという前提の下、外資系投資銀行及び国内証券会社の投資銀行部門のコース採用(エリート採用、特定専門職採用)志望者のために、さらに「各部門とその業務内容」を詳細に見ていきます。
なお、各社の企業分析は割愛し、業界研究と業界内比較のみ行います。なぜなら、高度な業務であるため素養のみをみられること、そのうえ外資系の場合は外資であるが故になぜその企業かは重要視されません(採用面接でもおおむね聞かれません)。
また、各社ともヘッドクオーターの傘下にある日本法人であり、日本法人独自で企業ストーリーや財務情報や中期経営計画などの公表はありません。業界概要
特徴
<高給激務の環境について>
そもそも外資系の企業は、優秀な人材を確保するために、給与水準を当該国のトップ企業よりも高い水準で設定します。同じ給与水準であれば、自国資本の企業に人材が流れてしまうためです。これは、日本企業の海外拠点などでも基本的には同じです。
その中でも特に外資系の証券会社はその傾向が強いです。その給与捻出のため、少数精鋭でビッグディールのみを取り扱うという傾向にあります。これは、業界内比較のリーグテーブルを確認すればわかります。それゆえ、外資系投資銀行は群を抜いた高給である一方で群を抜いた長時間労働が必要となります。
<部門(職種)別採用について>
上記の少数精鋭で充分な収益をあげるために、それぞれが高度な専門性をもつスペシャリストになる必要があります。そのため、採用は部門(職種)別に行います。また、入社後に人事異動もありません。
なお、少数精鋭を維持するために、利益貢献に値しない人材はクビにされます。欧米ではジョブ型雇用が一般的であり、それが基盤にあることも影響しています。(参考:名著で就活No.A-11)
<採用において重要な点>
採用においては、部門で全く異なります。部門で見ることが重要となります。
そして、極めて優秀なことはもちろんのこと、度合いは部門により分かれますが「圧倒的なタフネスさ」が求められます。
タフネスさは、①その資質があるか、②構造的にタフネスさが構築されているか、の2点で判断します。前者はこれまでの経験から判断します。後者は確固たる志望動機があるかどうかから判断します。確固たる志望動機は、なぜ投資銀行か、なぜその職種かまでであり、なぜ当社かは入りません。そのため、タフネスさ構造的に構築できる証明として、投資銀行や希望する職種に対する深い理解が求められます。
本内容はその深い理解の醸成のためにあるものです。
プレーヤー
日本における投資銀行のプレーヤーは、おおよそ以下のイメージになると思います。※マウスオーバーで拡大
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事業部門
事業部門とその位置づけは、各社で異なるもののおおむね下図の通りです。※マウスオーバーで拡大
業務内容
投資銀行部門 IBD
投資銀行業務は、M&Aのアドバイザリー、株式・債券の発行・引き受けの支援といった発行体の資金需要に対して、最適な提案を行い実行支援する業務です。営業にあたるカバレッジと提案を構築するプロダクトという業務に分かれます。カバレッジが営業を行い、それを受けてプロダクトが執行するということが大きな流れです。
<カバレッジ>
カバレッジはセクターで分かれます。M&Aなどに積極的な金融法人とテクノロジーとその他事業会社という分け方が一般的です。
・金融法人
・テクノロジー
・そのほか事業会社
3つの分類をプロットすると以下の通りです。業界の専門性と案件数が比例します。各事業法人の場合は、複数セクターを担当することになるため、幅広いゼネラルな知見が求められます。※マウスオーバーで拡大
<プロダクト>
プロダクトは、商品の種類で以下3つの業務で構成されます。いずれも案件執行後に得る手数料収入が主な収入です。
・債券等を取り扱うDebt Capital Market業務 DCM
・株式を取り扱うEquity Capital Market業務 ECM
・M&Aアドバイザリー業務 M&A
それぞれの業務の特徴を簡単にマッピングすると下図のようになります。●DCM※マウスオーバーで拡大
案件数が多いです。また、業務における定型部分の割合が多いです。なぜなら、DCMは返済義務を負うものであり、企業の成長性とはかかわりなく、返済の確度が高ければそれで発行させることには問題ないためです。
●ECM
企業が株式を発行する頻度は数十年に一度のことも多々あり、まれであるため案件数はDCMよりかなり少ないです。しかし、株式は無価値となる恐れのあるリスク資本であるため、「いつ、何を、いくらで発行するのか、投資家が購入し流通するようにするために、現状どうなっていてどういう成長戦略を描いているのか(エクイティストーリーといいます)を提示する」など対応が非常に多岐にわたります。適切な株主価値の向上が描かれていなければ発行させることは困難です。
●M&A
ECM同様に業務量が多く案件数が少なく、一つ一つがかなり重たい業務です。顧客企業の現状と課題を踏まえた候補先のリストアップ、候補先の絞り込みとデューデリジェンス、候補先との交渉、買収スキームや条件の合意、というプロセスであり、長い時間をかけて業務を進めていきます。
いずれにせよ、資金需要体にとっては会社の存亡にかかわる重要な案件となるため、極めて優秀な人材が求められます。
<業務プロセス>
① 仕込み※マウスオーバーで拡大
投資銀行からの営業で内容が独創的であるため単独指名を受けるという理想的な案件は極めてまれであり、実際は顧客からの依頼に基づき、入札に参加することとなります。
ただし、顧客からの依頼がそもそも発生する前段には、顧客が各投資銀行のカバレッジと情報交換し、ある時期にある方法で資金調達やM&Aを行うと決 める「仕込み」の期間があります。この仕込みをおろそかにすると、入札にそもそも呼ばれない、あるいは入札で勝ちにくくなる、ということになります。
② 営業資料作成
顧客依頼で案件が発生した場合(あるいはこちらから提案にいく場合)、カバレッジはピッチブックと呼ばれる営業資料を作成します。
顧客の現状を分析し、顧客の課題やニーズをあぶりだし、それを的確に解消し成長を実現する財務戦略(提案内容の主要部分)を提示します。そして、その適格性を証明するために、顧客を取り巻く市場の詳細な分析、財務状況の詳細な分析などの膨大な定量分析も提示します。
このピッチブックとプレゼンテーションにより、自社が案件を獲得できるかどうかが決まるため、内容面でもビジュアル面でもカバレッジが威信をかけて作成します。この量が膨大であり、短い期限の中で仕上げるため、証券会社の投資銀行部門の若手は寝る暇がないわけです。
③ 提案(入札)
そしてプレゼンテーションを行います。案件の責任者と案件の主担当者とプロダクト側の人間で行うことが一般的なようです。どんな内容か、内容は最適になっているか、手数料はどうか、内容はいいとして組織として信頼に値するか、というような点を中心に、本件で当社を指名すべきというロジックを積み上げていきます。
各投資銀行とも経験豊富で優秀な人材がそろっている為、提案内容が大きく異なることはまれで、手数料やその案件の類似実績の状況なども重要となります。
④ 案件執行(エグゼキューション)
無事案件が獲得できればいよいよ執行となります。執行からはプロダクトが中心となります。
マーケット
マーケット業務は、資産運用需要者に対して、債券や株式や為替といった市場に流通する金融商品を用いて、最適な運用ソリューションを提案・実行する業務です。
セールス、執行するトレーダー、商品開発を行うストラクチャリングに分かれます。それらが株式や債券といった商品ごとに分かれます。業務の分け方は各社それぞれの強みに応じた分け方となっていますので、上記は大まかな分け方です。
それぞれの業務の概要は下表のとおりです。それでは各職種をみていきます。※マウスオーバーで拡大
<セールス>
顧客に担当する金融商品の販売を行う営業職です。顧客とリレーションを構築し、顧客の資産運用の支援を行うべく、金融商品の提案を行います。金融商品の販売が成立した際の販売手数料が収益源となります。
●債券セールス
債券は、価格の大きな変動はなく、Debtであるため発行体が成長せずとも資金回収できる確実性が高く、投資家はリスクが低い資産として運用を行います。価格の変動はマクロ経済の動きと連関します。そのため、リスク回避資産として売買金額が大きい点が特徴です。また、株式と比べ商品の幅が広いことも特徴です。
さらには、株式の証券市場のような誰でも参加できる透明性と規模のある市場がなく、資格保有業者のみが参加できる業者市場での取引か相対取引が中心です。それゆえ債券の売買を行うこと自体が付加価値であるため、債券の「販売手数料」という形での収益となります。市場の特性上ブラックボックス部分があるため、販売手数料の料率はセルサイドである投資銀行側で決められます。
そのため、セールスが描いたストーリー(値動きや手数料含めて)に顧客が莫大な金額を掛けるというようなダイナミックで裁量のある動きができます。
したがって、顧客の運用方針や資産ポートフォリオの状況を踏まえ、どの商品を提案すると顧客に貢献できるかを「包括的に」理解し思考力する能力が求められます。また、プロダクト自体は数理的で難解なものが多いため、数理的な思考力・理解力が求められます。さらに、債券はマクロ経済の影響を受けるため、マクロ経済に対する包括的な理解も求められれます。
一方で、各社とも商品に大きな違いはないため、これまでどれだけ顧客に貢献してきたか、また信頼関係を構築してきたか、が案件成立に大きな影響を与えます。そのため日々顧客の資産運用に情報提供など含めて尽くしていくこと、顧客に信頼される人間性が求められます。
●株式セールス
株式は、証券市場で常時価格が変動しており、変動幅は債券の比でなく、リスクの高い資産です。そのため、価格の変動性により頻度は債券よりも圧倒的に多いものの、リスクが高いため金額規模は債券より少ないという特徴があります。そして最大の特徴は、株式市場という透明性があり誰でも参加できる大きな市場があるため、顧客も自身で売買しようと思えばできます。しかし、その道の専門家に依頼した方がより良い条件での売買が可能となるため、投資銀行に依頼を行います。そのため、販売手数料というよりは仲介(代行)手数料となります。ブラックボックス部分がないため、手数料はほぼ一律となります。
したがって、株式セールスは膨大な数の案件を処理し、小さな仲介手数料を積み上げていく収益モデルとなります。ただ、リスク資産であり値動きが激しいため、株価がどのようになるかのストーリーを構築する必要があります。
そのため、株価がどのように変動するか、を論理的に突き詰めて考え理解する深い洞察力が求められます。株価はマクロ経済のみならず業界や個社のミクロ経済の影響の方がむしろ大きいため、業界や個社についての深い洞察も求められます。
そのうえで、多数の仲介案件を対応する情報処理と、それをなぜ今買うべきかについて顧客を納得させるコミュニケーション能力が求められます。
一方で、各社とも商品に大きな違いはないため、これまでどれだけ顧客に貢献してきたか、また信頼関係を構築してきたか、が案件成立に大きな影響を与えます。そのため日々顧客の資産運用に情報提供など含めて尽くしていくこと、顧客に信頼される人間性が求められます。
<トレーダー>
セールスと一体となり、トレードを行う役割です。単純な執行ではなく、「アクティブ運用」を行い利ザヤの獲得を狙います。
●債券トレーダー
債券は、株式と違い定期的に入札があるなど市場の構成が少し複雑です。株式と同じく価格が表示される板は存在しますが、相対取引が占めるウエイトが多く、機関投資家が主な参加者であるため、各プレーヤーがどのように売買を行うかという情報戦の色が強い点が特徴です。
債券トレーダーは自己勘定でのトレーディングと顧客からのフローの両方の対応をしています。債券は株式と違って満期や回号が存在するため、単に安く売って高く売るだけではなく金利カーブ全体の動きも予測する必要があります。
また、明確な販売手数料が顧客と事前に決められているケースは少なく、顧客がある債券をある金額でほしいというオーダーをセールスが取ってきたときに、その金額以下となる債券をマーケットから調達します。安く調達できればできるほど利ザヤが増えます。この利ザヤがトレーダーとしての手数料収入となります。経済状況や債券の取引状況を見ながら、適切な時期に適切な金額で調達を行う判断が求められます。
債券は株式と異なり株価のように常時変動するものではないため、顧客も安全資産として頻度が多く大きな金額の取引が行われます。したがって、数理的思考に基づき、大きな金額を適切に売買し利ザヤをあげることのできる、瞬時の判断を行うことが求められます。
●株式トレーダー
株式トレーダーも、売買の仲介における利ザヤが手数料収入となります。債券と異なり、株式は満期の定めがない有価証券で、個人投資家が多く証券市場に参加しています。債券と比べて値動きが格段に大きく銘柄数も多いため大きなポジションを張ることはリスクが伴います。
基本的な業務は、株式セールスが持ってきた案件に対して価格を提示します。成約されれば、当該価格以下で調達すべくトレーディング執行を行います。
株式トレーディングの場合は、成行・指値(指値)を中心に多くの種類があり、トレーディングの執行そのものの難易度が高いです。市場動向を把握して適切なタイミングで売買を行うことが必要であり、その判断が優れているため投資家はトレーディングを依頼します。
なお、自己勘定でトレーディングを行うプロップトレーダーといわれるトレーダーも存在します。
株式トレーダーは、膨大な数の仲介を実施するため、情報処理の速さが重要です。また、証券市場動向を見定めて瞬時の判断を下す決断力も必要です。
<ストラクチャリング>
顧客のニーズに対応した金融商品の組成やソリューションの提供を行うのが、ストラクチャラーの業務です。
金融商品には常時マーケットで流通している株式や債券を主な原資産とする「フロー」と、金利・為替・クレジットを含めた複数の資産にわたるオーダーメイドのソリューションにあたる「ノンフロー」と呼ばれる商品があります。特にこのノンフローのトレーダーをストラクチャリングトレーダーと呼ぶ会社もあります。
トレーダーと議論を重ねて収益性の高い商品を設計するだけではなく、セールス担当者と共にマーケティングを行います。ストラクチャリング&マーケティングと言われることもあります。
ニーズを的確に捉える理解力、商品を組成する高い数理的思考力とアイディアの豊富さ、そして多様な部門と協業するバランス感覚が求められます。
<業務プロセス>
業務プロセスは案件の発生経路により大きく分かれます。
① セールス主導型
セールスが顧客に提案した金融商品のオーダーを取り、トレーダーが価格を提示し、成約されれば執行します。※マウスオーバーで拡大
なお、ストラクチャリングが必要な顧客ニーズの場合は、まずフローのトレーダーが原資産となるアセットを購入し、ストラクチャリングデスクがスワップを付けるなどして金融商品を組成し、顧客に販売します。
② 顧客依頼型
顧客からの依頼により、顧客が求めるリターンが実現できる商品をオーダーメイドで組成する機会も多いです。セールスはトレーダーと相談し原資産となる銘柄を選んだりキャッシュフローを組み替えたりして顧客のニーズに合った商品を提供します。※マウスオーバーで拡大
③ ストラクチャリング主導型
ストラクチャリングが開発した新たな金融商品を、セールスが営業します。短期運用商品や流動性の低いアセットを原資産としているなどその時々のトレーダーのポジション状況やニーズに沿った商品も多く、各社で違いがあります。※マウスオーバーで拡大
リサーチ
リサーチには、対外的な情報発信業務と社内への情報発信業務に分かれます。
前者は、マクロ経済や企業の分析などをエコノミスト・ストラテジスト・企業アナリストが行い発信します。発信する情報の質が高ければ高いほど、発行体・投資家ともに当該証券会社を起用しようという意向が働きます。
後者は、マーケットなどが投資家に提案する商品について、テクニカルアナリストやクオンツアナリストが専門的な数理分析に基づく情報を提供します。※マウスオーバーで拡大
<エコノミスト>マクロ経済の分析を行います。
<ストラテジスト>株式や債券などの金融商品の種類ごとに、市場の分析を行います。
<アナリスト>業界や企業(企業アナリスト)、あるいは金融商品の個別銘柄(クレジットアナリストやクオンツアナリスト)の分析を行います。
コーポレート
テクノロジー(IT)、ファイナンス、リスク管理、内部監査など一般的にはミドルと呼ばれる部門です(会社によります)。各案件や会社が適切に運営を行うために、専門的知見によりフロントのサポートを行います。
当該領域に関する専門的な知見が求められます。ファイナンス・リスク管理・内部監査などでは高度な数理的思考や会計士レベルの会計財務の知見が必要となりますし、テクノロジーでは高度なプログラミング能力が求められます。
オペレーション
一般的にはバック(会社によります)と呼ばれ、セールスとトレーダーによる執行後の証券取引やデリバティブ取引の受渡し、清算、資金決済、ならびに自己および顧客資産のカストディー業務を行い、商品や顧客についてのデータを管理します。
すべての取引が正確に処理されるように手配し、顧客と社内のトレーダーやセールス担当者などをつなぐ極めて重要な役割を担っています。
着実かつ正確に履行すること、同じ作業を継続して高いクオリティで行える集中力が求められます。
プリンシパルインベストメント
証券会社本体とは別の会社で行います。
大企業の事業再編に伴う子会社・事業売却の受け皿となる投資から、大規模な設備投資を必要とする企業への成長資金の供給まで、地域、産業を問わず多岐にわたり、顧客のニーズに応じた柔軟なストラクチャーによる投資を行います。 また投資後は、投資先企業の経営パートナーとして、事業・財務戦略から社内リスク管理体制やコーポレート・ガバナンスの強化まで、幅広い分野において事業展開のサポートを行うことで、企業の潜在的な成長力向上を支援しています。
投資対象案件は、地域、産業を問わず多岐に渡ります。近年は投資対象に応じて、メザニン・ファンドや、道路や港湾などのインフラ関係の投資に特化したファンドなども組成されています。自己勘定でリスクを負って投資を行う事業です。
事業リスクの見極め、リスク対応策の構築、適切な投資ストラクチャーの構築、投資実行、経営支援・管理、といった財務から事業のマネジメントまで包括的なコントロールが行うことのできる知見が必要であり、知の総合格闘技ともいえる職種です。
不動産
証券会社本体とは別の会社で行います。ファンドによって行われる不動産関連資産への投資やアドバイザリー業務から、投資を行った不動産関連資産のアセットマネジメント業務まで、幅広い投資事業を行っています。特に不動産投資が中心で、投資した不動産のバリューアップを行い、バリューアップ後に売却しキャピタルゲインを得るというフローです。
不動産では、投資不動産を選定するにあたってバリューエーションを行い、その後バリューアップを行います。したがって、数理的思考、財務的思考が必要なうえに、バリューアップするにはどうすればいいかを考案する構想力、課題発見のための理解力・分析力が求められます。そして、バリューアップのプロジェクトをマネジメントするプロジェクトマネジメント能力が求められます。
プリンシパルインベストメントと並び、リスクを負って投資を行っており、その分総合的に高度な能力が求められます。
アセット・マネジメント(プライベートバンキング)
証券会社本体とは別の会社で行うことが多いです。主として年金基金、機関投資家、個人投資家向けに、伝統的資産に加え、オルタナティブ資産などを投資対象とする幅広い運用商品とサービスを提供します。
なお、特に富裕層の個人向けのアセットマネジメントをプライベートバンキングあるいはウェルスマネジメントと呼称する会社もあります。
<投信営業>
証券会社や銀行などの販売会社に対し、運用戦略の提案や運用商品に関する情報提供、及び投資信託のマーケティング活動などを行っています。投資信託のマーケティング活動は、主に販売会社主催の個人投資家向けセミナーや販売会社の営業の方々向けの勉強会を定期的(年数百回規模)に開催し、マーケット動向や新たな運用戦略の提案を行います。
高度な金融知識やマーケットを読み解く洞察力、コミュニケーション能力が求められます。
<投資家営業>
金融法人や年金基金を対象とした機関投資家や富裕層の個人向けに、商品戦略の提案や運用状況等に関わる情報提供など幅広い投資ソリューションを提供します。運用の提案、定期的な運用成果の報告など日々の顧客とのコミュニケーションを取ることが業務です。
高度な商品知識と顧客の現状を理解する理解力、最適な提案を構築する構想力、そしてなにより顧客と信頼関係を構築する人間性が求められます。
<運用>
債券、株式、不動産関連、そしてヘッジファンドといった各運用戦略を提供すべく、グローバルまたはリージョナルの運用チームと連携を図り、商品を運用・管理します。運用の基本方針の策定および実施、運用業務および投資分析業務、経済・金融市場等の調査分析などを行っており、傑出した分析力や数値解析力が必要とされます。
求められる人物像
各部門の職種と業務内容を踏まえ、各部門の求められる人材像は下表のとおりです。※マウスオーバーで拡大
高度な専門性がもとられる知識産業であるため、地頭の良さ、特に数理的思考力、タフネスさが共通して求められます。
なぜ投資銀行なのか、なぜその職種なのか、を十分に理解したうえで、求められる人材のレベルに達しているかを証明していく必要があります。