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業界研究

損害保険



  • 長らく高い就職活動における人気を維持する東京海上日動火災保険をはじめとする損害保険会社。なんとなく損害保険は知っているけど、仕事内容のイメージがわきづらいという声も多いです。そこで今回は損害保険業界を研究します。


    業界概要

    主な企業
    損害保険会社には、東京海上日動火災保険、三井住友海上保険、損保ジャパン日本興亜、あいおいニッセイ同和が主な企業です。自動車向け損保等の個人向けでは、外資系損害保険会社も多数日本に進出していますし、ネット損保という新しい業態も発生しています。


    生命保険のビジネス
    損害保険会社は、損害保険の開発、リスク分析、営業(個人・法人)、保険金支払い、運用、海外(M&A等)の6業務があります。


    生命保険と損害保険の違い
    生命保険の対象は人であり、人が抱える志望や病気等のリスクに対して、「保障」を付与するビジネスです。一方で、損害保険の対象はモノ(物・事業)が抱えるリスクに対して、損害の補償を付与するビジネスです。対象が異なること、保障と補償という違いがあります。




    業界のビジネスモデル

    ビジネスモデル


    損害保険業界は、当然ながら損害保険が商品です。そもそも損害保険とはなんでしょうか。
    コンテンツ図示

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    損害保険は、保険加入者たちが保険料を納め、保険が適用される事象があった場合に、加入者が支払った資金プールから、保険金という救済資金が支払われるという相互扶助の損害補償システムです。

    事故などの予測のつかない事象に対してみんなでお金を寄せ集めて、何かあった人の損害を補償する、というものです。この点は基本的には生命保険と同じです。
    生命保険との違いは、リスク対象とリスク内容が非常に多岐にわたることです。そのため、リスク分析が非常に重要であり、おおむね各社リスク分析を専門に行う子会社を有しています。

    ビジネスモデルから、損害保険会社の業務プロセスが下図の通り導き出されます。
    ①定型商品型
    コンテンツ図示

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    ②オーダーメード型
    コンテンツ図示

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    保険商品の開発


    まずは、保険商品の開発を見てみましょう。開発には、リスク戦略と営業戦略が必要になるため、リスク部門・営業部門・開発部門が連携して行います。
    顧客は、個人(リテール)と法人(ホールセール)に分かれます

    <リテール>
    個人向け商品の場合は、ターゲットのボリュームと訴求力(競争力)のバランスを取りながら、商品を開発していく必要があります。ターゲット戦略を定め、具体的に保険商品の設計(リスク対象・提供条件・保険金・保険料)を行います。
    コンテンツ図示

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    マーケティング的な戦略を構築する力、戦略を踏まえて数理的に保険商品を設計開発する能力が求められます。

    <ホールセール>
    法人向け商品の場合は、オーダーメードでの商品開発が中心となります。もちろん海上保険や火災保険や財産保険といったあらかじめ商品を開発する定型商品の場合も多くあり、その場合はリテールと同様です。
    重要なのは、オーダーメードの場合であり、多種多様な事業があり、そこで直面する多種多様な事業リスクにたいして、どのように保険でカバーするか、というソリューションを求められます。そのプロセスは下図の通りです。各社の独自性はここに表れます。
    コンテンツ図示

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    リスクプロファイルとは、何のリスクにどのくらいさらされているかを意味します。これを作成したうえで、リスクとリターンの判断、において各社の違いが現れます。例えば、下表のような各社の考えがあります。
    生命保険業界でも同じですが、損害保険はリスクの対象と内容が、生命保険よりも圧倒的に多岐にわたる為、ソリューションの内容や選択肢も多岐にわたり、より独自性が強く出ます。
    コンテンツ図示

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    営業


    次に営業・販売を考えます。

    <リテール>
    個人向け損害賠償の主たる対象は、自動車と火災です。いずれも、自動車ディーラーや不動産仲介業者といった代理店を通した間接営業です。定型商品であること、自動車や家などに付帯するものであること、定型ゆえに独自性や知識集約要素がなく、露出と接触機会を増やすことでよいため、代理店を介したものとなります。

    <ホールセール>
    損害保険の場合は、特にこちらが直接営業を行うメインの事業です。営業を行い、リスクプロファイルの作成に必要なヒアリングを行います。どんな事業を行っているのか、どんなプロセスなのか、どこにどんなリスクがあるのか、といったより具体的かつ細かく顧客企業の理解をすることが求められます。そして、リスクプロファイルをもとに、リスク分析をかけたうえで、どのリスクをどこまでどのようにカバーするのか、といった保険商品の設計を社内で行います。顧客企業に対する細かく正確な理解とニーズの理解が重要となります。


    運用


    つぎに、集めた保険料の運用について考えます。
    納められた保険料は、資金プールとなりますが、全額保険金の支払いに残しておく必要はありません。保険業法でソルベンシーマージン比率という、支払い余力に関する比率が設定されており、法規上はそれを越えていればよいわけです。また、過去の経験から、各社独自で設定していると思います。
    コンテンツ図示

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    そのため、ソルベンシーマージン比率を超える部分の資金プールについては、寝かせていても何も生まないため、運用を行います。新聞等で、「機関投資家」という言葉を聞くと思います。投資を行っている組織を意味しますが、まさに損害保険会社は、最も大きい機関投資家の一つです。

    投資に際しては、保険業法上でも資産の種類についての割合が定められており、厳格かつ安全な運用が求められます。したがって、厳密な数理モデルを用いて理論的に投資を行います。それゆえ、運用部隊に在籍する人材は、超高学歴で数学系で修士や博士を取得した、ごく限られた少数の人間です。そのため、一般的な就職活動においては、あまり関係のない部隊となります。


    保険金審査


    保険金を支払う事案が発生した場合は、保険金支払いに関連する審査業務が発生します。損害保険は飽くまで補償であるため、適用条件に合致しているか、どの程度合致しているか、そのうえでどこまで補償を行うのか、の判断と対応を行います。ここも同様に、発生した事象と背景の正確な理解を求められます。


    海外


    プロセスには出てきませんが、新聞を読んでいると、損害保険会社が海外の損害保険会社を買収した、などというニュースを見ることがあると思います。これはなぜ発生しているのでしょうか。生命保険の場合は、人口減や高齢化が要因でしたが、損害保険の場合も、保険料収入の多くを占める自動車や火災といったリテール部門がこの影響を受けます。また、ホールセール部門については、シンプルに国内市場が頭打ちであるからです。

    経済成長率が低迷を続けており、保険料収入の総額も微減となっており、国内市場が今後も伸びることは見通しにくいため、海外市場に打って出ているということです。その際、時間と労力を削るために、買収をいう手段を使うわけです。


    損害保険を大別し、その保険料収入の割合を表すと下図の通りです。ほとんどの個人が加入する自動車が当然最大ですが、前述の通り、代理店経由で露出を増やしていく方法をとっています。
    コンテンツ図示

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    一方で、企業の事業リスクに該当する、火災の一部と新種(事業リスク)は、知識集約的であり、独自性が求められる領域であるため、正社員による直接営業が行われています。したがって、多くの人は、事業リスクに対応する火災・新種保険の、営業・開発・リスク分析を行うこととなります。




    本業界の簡単な歴史

    なぜ保険というものができたのでしょうか。損害保険と保険会社の歴史を見ればわかります。ごく簡単に見てみます。
    古代ギリシャ時代の海上輸送では、嵐や海賊など予期せぬ危険に遭遇した場合、船と乗組員を守るため、やむを得ず積荷を海に捨てることもあり、その損害は、荷主と船主で負担するという習慣が生まれました。これが保険の考え方の始まりです。
    その後14世紀になると航海が失敗したときは金融業者が積荷の代金を支払い、航海が成功したときには金融業者に手数料を支払うという仕組みをイタリアの商人たちが考え出し、それが「海上保険」に発展しました。そして、1666年9月のロンドン大火を契機に海上保険をヒントに考案された火災保険が登場します。

    日本の損害保険の歴史も海上運送から始まりました。16世紀から17世紀の初めに活躍した朱印船には、海難事故などの危険が高かったため「抛金(なげかね)」という制度が考え出されました。1航海につき金融業者が証文に基づいて金を貸し、無事に航海が終われば3~11割の利子をつけて元金を返済しますが、船が難破した場合は利子も元金も払わなくていいというものでした。

    近代的な保険制度は、幕末から明治維新にかけて外国から入ってきました。当初は、日本に居留する外国商社を対象にするものでしたが、文明開化の進展とともに日本資本の商社や日本人を対象にする保険会社も登場しました。日本人自身による最初の損害保険業は、1869年に神奈川県の税関が保税倉庫内貨物について火災損傷の請負を行ったのがはじまりです。さらに1879年には日本初の海上保険会社が、1887年には日本初の火災保険会社が誕生しました。




    本業界の機能

    ビジネスモデルと歴史を踏まえ、損害保険会社の機能を整理すると以下の図のようになります。損害が発生するリスクに対する損害の補償が本質的な価値です。補償をするために、リスクを分析し、特定・判定することも機能です。
    コンテンツ図示

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    求められる人物像

    これまでの業界研究から、必要な人材が導き出されます。
    コンテンツ図示

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    全体的には、人の事業に踏み込んで損害に関するコンサルティングを行うため、何よりも、親身なれること、性格が穏やかで人当たりが良いこと、といった人から信頼されるバランスの取れた人間性を求められます。ここは生命保険業界と全く同じです。損害保険の場合は、対象となるリスクが非常に多岐にわたることから、人間性に加えて、理解力や考察力を求められます。


  • まとめ:

    損害保険会社の本質は、

    事業リスクパートナー

    です。その主たる方法として、損害保険による損害が発生し得るリスクの保障があります。
    それを生み出す源泉は、人材です。事業の損害リスクという踏み込んだ領域を取り扱うわけです。したがって、損害保険会社は、事業リスクパートナーになるほど信頼される人間的な魅力とソリューション提供能力が必要です。

    そのため、各社は、エントリーシートや面接を通じて、信頼されるような人かどうか、言い換えれば一生懸命頑張れる人かどうかを徹底して確認します。さらに、損害保険会社の場合は、多種多様な事業リスクを理解してソリューションを提示する理解力と考察力が求められるため、自己分析を細かく聞かれることを通じて、自分自身をきちんと理解・考察できているか、を問われます。


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