業界内比較
生命保険
-
業界内比較を行い、さらに各社の違いを洗い出します。企業ストーリー
企業ストーリーの比較は下表のとおりです。
※マウスオーバーで拡大
企業ストーリーとあなたのマイストーリーとの合致が非常に重要ですので、最初にこの部分で確認をし、暫定的に志望の優先順位をつけます。企業のコアとあなたのコアが合致しているか、どの程度合致しているかの確認です。
より理解しやすいように、企業ストーリーに含まれる要素を、バランス・情熱・創造性の3つに分類し、各社の違いを表しました。平たく表現したものでありますが、企業ストーリーから導き出される企業姿勢も、あなたのマイストーリーと合致するかを確認すべき項目です。※マウスオーバーで拡大
企業ストーリーから、各企業をマッピングすると以下のイメージになると思います。
※マウスオーバーで拡大
財務比較
つぎに財務比較を行い、直近の過去の事業活動からあなたのマイストーリーと合致するか、より具体的に注力している事業やビジネスモデルなどから、あなたのバリューや成長条件を合致するかを確認します。
基礎データ
<グループ>
売上に当たる経常収益や保険料等収入ともに、日本生命グループと第一生命グループが近い水準で、明治安田生命グループは少し差が開いています。一方で、利益は3社ともそろって2,000億円台にあり、近い水準です。それゆえ、利益率は、明治安田生命が最も高い状況にあります。※単位:億円(3年平均値)
※マウスオーバーで拡大
<単体>
単体では、日本生命が圧倒的な経常収益・保険料等収入です。ただし、利益では明治安田生命が日本生命に比肩しており、その利益率の高さが目立ちます。※単位:億円(3年平均値)
※マウスオーバーで拡大
種類別保有契約残高
<グループ>
※単位:億円(3年平均値)
※マウスオーバーで拡大日本生命が最もバランスが取れています。第一生命は個人、明治安田生命は団体とそれぞれのポートフォリオに特徴が出ています。※3年平均値
※マウスオーバーで拡大
セグメント利益/セグメント保険料等収入
<グループ>
日本生命(保険料等収入)
第一生命(セグメント利益)※単位:億円
※マウスオーバーで拡大
明治安田生命(保険料等収入)※単位:億円
※マウスオーバーで拡大
海外生命保険事業は、日本生命が3-4%、第一生命が10%超、明治安田生命が10%と、業界全体としてそれほどグローバル化が進んではいません。その中でも、すでに一定の利益割合を占める第一生命が最もグローバル化が進み、次いで明治安田生命となっています。日本生命は海外保険事業の割合は非常に小さいです。※単位:億円
※マウスオーバーで拡大
※日本生命と明治安田生命は保険料等収入、第一生命保険のみセグメント利益
財務分析の比較から、簡単に整理すると、以下のようにデフォルメされます。日本生命のバランスの良さ、第一生命の個人向け(+海外)、明治安田生命のホールセールとそれぞれの強さが異なります。各社の企業分析で見た通り、見事に企業ストーリーと一致した部門別利益となっています。※マウスオーバーで拡大
どういう利益の上げ方であれば、あなたのマイストーリーの実現に最適化を吟味し、優先順位をつけていきます。
財務分析から、各社をマッピングしたイメージは以下の通りです。
※マウスオーバーで拡大
中期経営計画
企業のコアである企業ストーリー、企業の直近の過去と現在を表す財務にて、マイストーリーとの合致度合いを確認した後は、最後に目指している未来について、マイストーリーと合致するかを確認します。
そのためには中期経営計画で比較します。中期経営計画の比較は以下の通りです。※マウスオーバーで拡大
一言でいえば何を目指しているのかを、中期経営計画で使用されている用語を用いて表現しました。この方向性とあなたのマイストーリーが合致するかで志望の優先順位を分けることができます。
中期経営計画を、各社マッピングさせたイメージ図は以下の通りです。※マウスオーバーで拡大
※マウスオーバーで拡大
求められる人物像
ここまでで、コア・過去と現在・未来の企業とマイストーリーの合致度合いによって、志望の優先順位をつけるための材料が揃いました。この段階で志望の優先順位を付けたうえで、最後に適正による優先順位を確認します。
あなたがマイストーリーの中で、これまで培ってきた心と素養、それを培った経験に対して、求める人材像とどの程度合致しているか、によって適正を確認します。
※マウスオーバーで拡大
-
まとめ
企業ストーリーという変わることのないコアの部分、財務分析でわかる直近の過去と現在の事業活動、そして未来を描く中期経営計画をしっかり比較分析することによって、各社が実はこれほど異なることがわかります。
この分析をせずに、面接のためのその場しのぎでOB訪問を行い、面接では「OB訪問で会った社員に惹かれ志望した」などという本質的ではない理由が見受けられますが、企業の面接官は見抜いています。本質的な理解が及んでいないことを逆に証明することになり却ってマイナスです。
そして、本質的な理解が及んでいないため、ミスマッチの可能性が排除できないこと、自分の人生と深くマッチしている実感が持てないので、入社後のモチベーションに影響を及ぼします。そのような状況にならぬよう、業界内比較分析をしっかり行い、各社の違いについて本質的な理解をしましょう。
実際に自分の目で、各社のHP、IR資料、中期経営計画を熟読し、理解を深めてください。
宿題:各社のHP、IR資料、中期経営計画を熟読し、理解を深めましょう。
【出典】:2019年12月同社HP、2019年12月まで発表の各社決算短信、中期経営計画、その他同社公表資料