業界内比較
航空
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業界内比較を行い、さらに各社の違いを洗い出します。企業ストーリー
企業ストーリーの比較は下表のとおりです。
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企業ストーリーとあなたのマイストーリーとの合致が非常に重要ですので、最初にこの部分で確認をし、暫定的に志望の優先順位をつけます。企業のコアとあなたのコアが合致しているか、どの程度合致しているかの確認です。
より理解しやすいように、企業ストーリーに含まれる要素を、バランス・情熱・創造性の3つに分類し、各社の違いを表しました。平たく表現したものでありますが、企業ストーリーから導き出される企業姿勢も、あなたのマイストーリーと合致するかを確認すべき項目です。※マウスオーバーで拡大
企業ストーリーから、各企業をマッピングすると以下のイメージになると思います。
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財務比較
つぎに財務比較を行い、直近の過去の事業活動からあなたのマイストーリーと合致するか、より具体的に注力している事業やビジネスモデルなどから、あなたのバリューや成長条件を合致するかを確認します。
基礎データ
<グループ>
売上規模ではANAがJALに大きく差をつけています。一方で、利益ではANAの方が上回っており、利益率ではJALがANAに大きく差をつけています。規模を目指すか効率を目指すかの方向性の違いが出ていると思います。※単位:億円(3年平均値)
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部門別収益
<グループ>
航空事業のセグメント利益は同程度です。JALはその他(JALパックやJALカード)が大きいこと、ANAはLCCや航空関連事業があること、とそれぞれ特徴が出ています。※単位:億円(3年平均値)
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航空事業内部門別売上
<グループ>
JALはその他の規模が特徴です。ANAは国際線の割合が大きいこと、LCCがあることが特徴です。※単位:億円(3年平均値)
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国内線 収益性
<グループ>
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※ASK=総座席数×総輸送距離
※RPK=総輸送旅客数×総輸送距離旅客数・ASK・RPK・旅客収入と規模に関する部分はANAが上回っていますが、座席利用率やイールドなどの収益性はJALが上回っています。ASKやRPKから、JALは中型機が中心、ANAは大型機が中心と思われます※マウスオーバーで拡大
国際線 収益性
<グループ>
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※ASK=総座席数×総輸送距離
※RPK=総輸送旅客数×総輸送距離国内線よりも旅客数は劣りますが、単価が高いこと、収益性の高い路線に集中できるため、収益額は同等程度であり、収益性はむしろ上回ります。国内線の場合は、公共インフラとして収益性が低い路線を維持する必要があるため、収益性が国内線の方が低いものと思われます。※マウスオーバーで拡大
国内線ほど、旅客数・旅客収入・ASK・RPKと規模に関する指標に差がありません。収益性では、利用率はJALの方が高いですが、単価はANAの方が高く、結果として収益性ではANAが若干上回っています。これは、高単価路線をANAの方が飛ばしているということだと思われます。
国際線路線
<グループ>
ANAが欧州や米州などの長距離高単価路線の割合が高いことが特徴です。これが国際線の利益の高さの要因と思われます。一方で、JALはハワイ・グアム便の割合が特徴的です。長らく、高収益路線である本便はJALが圧倒的なシェアを占めています。ただし、直近ANAも大型旅客機を本便に投入するなどとシェア争奪戦が激化しています。※単位:億円(3年平均値)
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財務分析の比較から、簡単に整理すると、以下のようにデフォルメされます。それぞれ事業部門別利益の上げ方に特徴が出ており、各社の企業分析で見た通り、見事に企業ストーリーと一致した部門別利益となっています。どういう利益の上げ方であれば、マイストーリーの実現に最適化を吟味し、優先順位をつけていきます。※マウスオーバーで拡大
財務分析から、各社をマッピングしたイメージは以下の通りです。
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中期経営計画
企業のコアである企業ストーリー、企業の直近の過去と現在を表す財務にて、マイストーリーとの合致度合いを確認した後は、最後に目指している未来について、マイストーリーと合致するかを確認します。
そのためには中期経営計画で比較します。中期経営計画の比較は以下の通りです。※マウスオーバーで拡大
一言でいえば何を目指しているのかを、中期経営計画で使用されている用語を用いて表現しました。この方向性とあなたのマイストーリーが合致するかで志望の優先順位を分けることができます。
中期経営計画を、各社マッピングさせたイメージ図は以下の通りです。※マウスオーバーで拡大
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求められる人物像
ここまでで、コア・過去と現在・未来の企業とマイストーリーの合致度合いによって、志望の優先順位をつけるための材料が揃いました。この段階で志望の優先順位を付けたうえで、最後に適正による優先順位を確認します。
あなたがマイストーリーの中で、これまで培ってきた心と素養、それを培った経験に対して、求める人材像とどの程度合致しているか、によって適正を確認します。
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まとめ
企業ストーリーという変わることのないコアの部分、財務分析でわかる直近の過去と現在の事業活動、そして未来を描く中期経営計画をしっかり比較分析することによって、各社が実はこれほど異なることがわかります。
この分析をせずに、面接のためのその場しのぎでOB訪問を行い、面接では「OB訪問で会った社員に惹かれ志望した」などという本質的ではない理由が見受けられますが、企業の面接官は見抜いています。本質的な理解が及んでいないことを逆に証明することになり却ってマイナスです。
そして、本質的な理解が及んでいないため、ミスマッチの可能性が排除できないこと、自分の人生と深くマッチしている実感が持てないので、入社後のモチベーションに影響を及ぼします。そのような状況にならぬよう、業界内比較分析をしっかり行い、各社の違いについて本質的な理解をしましょう。
実際に自分の目で、各社のHP、IR資料、中期経営計画を熟読し、理解を深めてください。
宿題:各社のHP、IR資料、中期経営計画を熟読し、理解を深めましょう。
【出典】:2019年12月同社HP、2019年12月まで発表の各社決算短信、中期経営計画、その他同社公表資料