業界内比較
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業界内比較を行い、さらに各社の違いを洗い出します。企業ストーリー
企業ストーリーの比較は下表のとおりです。
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企業ストーリーとあなたのマイストーリーとの合致が非常に重要ですので、最初にこの部分で確認をし、暫定的に志望の優先順位をつけます。企業のコアとあなたのコアが合致しているか、どの程度合致しているかの確認です。
より理解しやすいように、企業ストーリーに含まれる要素を、バランス・情熱・創造性の3つに分類し、各社の違いを表しました。平たく表現したものでありますが、企業ストーリーから導き出される企業姿勢も、あなたのマイストーリーと合致するかを確認すべき項目です。※マウスオーバーで拡大
企業ストーリーから、各企業をマッピングすると以下のイメージになると思います。
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財務比較
つぎに財務比較を行い、直近の過去の事業活動からあなたのマイストーリーと合致するか、より具体的に注力している事業やビジネスモデルなどから、あなたのバリューや成長条件を合致するかを確認します。
なお、電通と博報堂に関する数値は2016年度から2018年度の3年間の平均値です。一方で、ADKは非上場化による情報公開停止直前の2015年度から2017年度までの平均値です。
基礎データ
<グループ>
グループ全体の売上規模では電通が他の2社と大きく差をつけています。ただし、売上高利益率やオペレーティングマージンでは博報堂がトップにあり、利益額は電通と博報堂は売上程の差はありません。ADKとは売上・利益いずれも大きく差が広がっています。※単位:億円(3年平均値)
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<単体>
単体においては、電通が全ての数値において、他の2社と大きく差を広げています。※単位:億円(3年平均値)
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域別売上総利益比率
<グループ>
地域別売上総利益比率においては、電通が半分以上を海外から利益を得ている点が特徴的です。世界規模の課題を扱っていくと宣言した電通のミッションがここに現れていると思われます。※3年平均値
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単体業務区分別売上比率
<グループ>
単体業務区分別売上率で、3社の特徴が大きく現れます。※3年平均値
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電通は価値伝達を行う従来型の事業である4マス広告(TV、新聞、雑誌、ラジオ)からの収益が5割ほどです。一方で、価値設計を行う新たな事業(クリーティブ、マーケティング 、コンテンツサービス)からの収益は4割弱、インターネット広告から1割ほどとなっています。
ADKは、その割合はほぼ電通と同じです。ただし、その内容はアニメを中心とするコンテンツの活用が主であることに違いがあると思われます。
博報堂は、電通とADKの構成比に比べバランスを重視しています。価値伝達を行う4マス広告は4割強、価値設計を行う新しい事業は3割強を占めています。そして残り2割強がデジタル広告という構成です。
特徴は、デジタル広告が電通やADKよりも1割高いことです。デジタルに強みをもっているといえます。
財務分析の比較から、簡単に整理すると、以下のようにデフォルメされます。それぞれ基礎データだけでなく単体業務区分別売上率に特徴が出ており、各社の企業研究で見た通り、見事に企業ストーリーと一致した財務状況となっています。※マウスオーバーで拡大
財務分析から、各社をマッピングしたイメージは以下の通りです。
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中期経営計画
企業のコアである企業ストーリー、企業の直近の過去と現在を表す財務にて、マイストーリーとの合致度合いを確認した後は、最後に目指している未来について、マイストーリーと合致するかを確認します。
そのためには中期経営計画で比較します。中期経営計画の比較は以下の通りです。※マウスオーバーで拡大
一言でいえば何を目指しているのかを、中期経営計画で使用されている用語を用いて表現しました。この方向性とあなたのマイストーリーが合致するかで志望の優先順位を分けることができます。
中期経営計画を、各社マッピングさせたイメージ図は以下の通りです。※マウスオーバーで拡大
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求められる人物像
ここまでで、コア・過去と現在・未来の企業とマイストーリーの合致度合いによって、志望の優先順位をつけるための材料が揃いました。この段階で志望の優先順位を付けたうえで、最後に適正による優先順位を確認します。
あなたがマイストーリーの中で、これまで培ってきた心と素養、それを培った経験に対して、求める人材像とどの程度合致しているか、によって適正を確認します。
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まとめ
企業ストーリーという変わることのないコアの部分、財務分析でわかる直近の過去と現在の事業活動、そして未来を描く中期経営計画をしっかり比較分析することによって、各社が実はこれほど異なることがわかります。
この分析をせずに、面接のためのその場しのぎでOB訪問を行い、面接では「OB訪問で会った社員に惹かれ志望した」などという本質的ではない理由が見受けられますが、企業の面接官は見抜いています。本質的な理解が及んでいないことを逆に証明することになり却ってマイナスです。
そして、本質的な理解が及んでいないため、ミスマッチの可能性が排除できないこと、自分の人生と深くマッチしている実感が持てないので、入社後のモチベーションに影響を及ぼします。そのような状況にならぬよう、業界内比較分析をしっかり行い、各社の違いについて本質的な理解をしましょう。
実際に自分の目で、各社のHP、IR資料、中期経営計画を熟読し、理解を深めてください。
宿題:各社のHP、IR資料、中期経営計画を熟読し、理解を深めましょう。
【出典】:2019年12月同社HP、2019年12月まで発表の各社決算短信、中期経営計画、その他同社公表資料